キャベツ


chou1 フランスのキャベツというと、年間を通じてだいたいスーパーマーケットやマルシェで見つかる白いキャベツ/chou blancあるいは緑色のキャベツ/chou vertがある。これらをキャベツと同等に期待するのは禁物で、白キャベツのほうは葉の一枚一枚が堅いだけでなくこれがぎっしり巻き付いておよそ日本でのように料理には使えない。千切りキャベツにしてもバリバリでまるでダメなのである。緑の方は白よりもずっと柔らかいが、なにしろ葉の表面には葉脈が浮き出ている。いずれも火を通す料理で始めてその価値が引き出せるのである。紫キャベツは色こそ紫だが葉の堅さは白と同じ。ついでに挙げるならばカリフラワー/choux fleuerもキャベツの仲間だがこれは安心して食べられる。茹でてもおいしいが新鮮なものは生でバリバリいける。

chou2 運が良ければ春から初夏にかけて新キャベツ/chou nouveauに出くわすことがあるが、これこそ緑の葉が柔らかくみずみずしい、日本的な千切りキャベツに耐えうるキャベツなのである。店先では外側の1、2層分の葉がすっかり濃い緑色で堅そうだがそれらを剥ぎ取ると中からこのようなキャベツが出てくる。形がちょっと変だが味はまぎれも無くあのキャベツである。
このキャベツ、本当に季節限定物なので見つけたら迷うことなく買うことをお勧めする。世界各地から季節に合わせて順番に輸入される完熟品ではなくこの季節の地物の早物なのである。一つ買って家で千切りにして食べ始めるともう一つ買っておくべきだったとも思うであろう。
妻はこれを見て「オランダキャベツ」といっているが、話を聞くとオランダではこんなキャベツがあるそうな。
こんないびつなキャベツはイヤと言う人には、実は日本とほとんど変わらないキャベツもあるのである。これもやはり初夏限定である。


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