牧場のページ


フランスはまぎれもなく農業国である。なおかつ世界を代表するブランドを排出する工業国でもあるが。
なかでも乳製品の豊富さは特別である。そしてその乳製品は日常の食卓で多いに存在感をアピールする。豊富な種類のチーズをはじめバターやクリームなどはフランスの料理には欠かせないものである。

ferme1 乳製品の中でも日常飲む牛乳は日本とは違い事情の下にある。
フランスで、スーパーマーケットなどで売られている牛乳はおもに長期保存可能な滅菌牛乳である。この滅菌牛乳、もちろん日本にも存在するがあまりなじみがない。むしろ長期保存の必要がないのであろう。
生活習慣として、週末などにスーパーマーケットなどで一週間分まとめて買物をするようになると牛乳も長持ちする方がよい。よって牛乳は1リッターくらいのボトルが6本単位で売られている。ばら売りもしているが。
この長期保存牛乳、常温保存が可能であるのでスーパーマーケットの売り場は他の商品のような棚での陳列ではなく、直接床から山積みになっている。日本で売られているような要冷蔵の生牛乳も存在するが、売り場の面積からするととてもマイナーなものであると考えられる。
牛乳には2種類あり、一つは標準牛乳、もう一つは脂肪分半分牛乳である。これらはパッケージの違いで区別されており前者はパッケージあるいはボトルのキャップが赤、後者が青となっている。日本の牛乳は脂肪分をかなり低く調整されているため、フランスの青タイプでも充分日本のものよりクリーミーであり、赤にいたっては、ボトルのキャップや底に脂肪分がたまってしまうほどである。

ferme2 本当においしい生牛乳を入手する方法もある。小売りをしている牧場がそれである。
パリ近郊でもひとたびパリから出るとそこはもう田園風景で、麦畑や牧場が広がっている。牧場の中には牛乳や乳製品を小売りしているところもある。家のそばにある牧場では牛乳のほかにもチーズ、バター、クリーム、ヨーグルト、たまご、いくつかの野菜を扱っている。
牛乳はリッター単位の量り売りで、ボトル持参が必要である。生牛乳だけあってとてもおいしく、クリーミーである。チーズはノルマンディーを代表するカマンベールのようなタイプではなく、みずみずしいクリームタイプ、じっくり熟成させたやわらかいもの、ヤギ乳のチーズなどがある。

日本で牧場というと、ナントカ高原特製特濃牛乳、100%牧場牛乳ソフトクリーム、自家製チーズケーキ、クリームパイ、などというものが有りそうだが、フランスではそういった現実ばなれしたものはない。製品はみな地味で生活臭のあるものばかりだがそれだけ生活に密着していると思われる。
動物とふれあう子供の姿は日本もフランスも一緒である。


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