フラバンジェノールのナゾ


フラバンジェノールなるポリフェノールの一種が日本の保健食品で有名だそうだ。ずいぶん前になるが妻がそれを聞きつけて、「薬局にでもフラバンジェノールの健康食品があるはず」という。なにしろこの正体は南仏、南欧の松の樹皮からとれるポリフェノールで、ご当地では古くから知られる健康食品ということだ。そんなに有名ならパリ近郊、いや全国区の健康食品となっていてもおかしくない。勢い薬局に向かうがそんなものはない。店員に尋ねてもそんなものは聞いたことさえないと。どうもおかしい。日本では確かに南仏の松の樹皮とうたわれているのに。

さっそく事実関係を調べてみよう。まずはGoodleで検索。フラバンジェノールあるいはflavangenolではなるほどたくさんの健康食品とその解説がヒットする。さて、これがフランスのものならばフランスで調べなければならない。ということでGoodleでもgoogle.frではどうだろう。出てきた結果は驚きである。Franceのページ(http://www.google.fr/search?hl=fr&q=flavangenol&btnG=Rechercher&meta=cr%3DcountryFR)で数件、francophone(http://www.google.fr/search?hl=fr&q=flavangenol&btnG=Rechercher&meta=lr%3Dlang_fr)でも数件増えるが追加分はカナダ、ウェブ全体では結構な数あるがほとんどが日本のページである。

では、検索のトップにあるページを見てみよう。.frドメインにあるサイトに置かれたpdfファイルである。 http://www.biotechnica.asso.fr/upload/biotechnica/bv013.pdf

12ページの中ほどに「フラバンジェノールは血液の流動性を高める」という記事がある。「九州大学と東京女子医大のグループの研究によると・・・」。これが栄えあるGoogle検索トップにあげられたフラバンジェノールの真実である。残りのフランス語でかかれたページを調べても結果は同じである。なるほど南仏の松だが日本オリジナルである。

これではあまりにも釈然としないのでもう少し調べてみる。日本の健康食品関連で、フランスではFlavanという名前で知られているそうなので今度はflavanで検索。なるほど結構な数が引っかかる。なるほど日本の健康食品と同じような効能をうたう、心臓、循環器系の医薬品としてあるらしい。有効成分leucocianidolのFlavanは登録商標になっており、医師の処方箋による場合は保健による払い戻しもある。
一方で気になる記述もおおい。検索語をflavan remboursement(http://www.google.fr/search?hl=fr&q=flavan+remboursement&meta=cr%3DcountryFRとすると、どうもflavanはその効果に疑いがあり保険対象外で払い戻しあるいは保険カバーが行われないようになってしまったようである。続きはみなさん自身が確認していただきたい。


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