日本食材の店


パリにおける日本食材事情というもっとも重要なテーマである。テーマは大きいがここでは普段買い物に使う数店の解説にとどめる。

kioko 京子食品
純日本の食材店である。日本の食材ならヘンなもので無ければたいてい揃う。米、味噌、しょうゆのほかに乾燥品、レトルト品もある。日本野菜も冷凍食品も刺身に出来る生魚だってある。わけのわからない駄菓子もある。ここで毎日買い物していれば日本にいるときととかわらない食生活が出来るのであろうが、高い。引っ越してまもなくは憧れの店であったものの生活に慣れて代用品がしっかりしてくるとそれほど重要で無くなる。ただし絶対に代用のきかない基本的なもの、味噌、醤油などはここで直輸入ものでなければダメである。
Rue des petite champs

十時や
これも純日本の店。京子よりこじんまりしている以外大きな違いといえば、和食のお惣菜を扱っているということである。
Rue Sainte Anne

エース食品
ここは韓国人経営のお店。そこに日本のものも扱っている。ポイントは2点。
一つ目は、扱っている日本食材のなかに韓国製の日本食材があり、あるいは韓国食材にして日本のものとほとんど変わりの無い物があり、これらが純日本店の日本直輸入品と比較して良い価格設定になっていることである。
二つ目は、日本でもなかなか見かけない韓国のさまざまな食材を入手できると。これは日本食材事情という主旨に反しているのだが、日本でもおなじみになった韓国のものについて言えば充分日本の食材といえよう。焼肉のたれ、キムチ、漬物、ごま油は絶品である。キムチは本当においしい。
問題点があるとすると、韓国製のものがほとんどであるため製品の説明が全く読めないこと、日本のものと極めて良く似ているものがあっても味がぜんぜん違ったりすることである。
その他、使い道の良くわからないものがたくさん並んでいる。日本から遠く離れたパリで隣国である韓国のお世話になり、韓国を知るというのもなかなかおもしろい。
Rue Sainte Anne、十時やの向かい。

パリ食品
このような名前の店はもはや存在しない。しかしこの看板のそばで日本の食材を扱うアジアな店が存在する。店の存在自体は知っていたが、妻が妻の友人に薦められて初めておとづれてうれしくなった店である。店はパリにない。パリの西となりBoulogne Villancourtという町の西はずれ、セーヌにかかるPont de Sevreのそばである。
品揃えは京子に劣るもののうれしい食材のポイントは抑えているので実用面ではほぼ同等である。さらに店の場所がウチから近いというのもポイントが高い。京子に行くにはウンザリするパリの中心を運転しなければならないことを考慮すると距離的には京子までの2/3でも時間的には1/5あるいは1/6で楽に行ける。パリの中あるいはパリ北東郊外からわざわざ来るほどのものでもない。
Avenue du General Leclerc、pont de Sevreのそば、Hyper Championというスーパーが目印。

陳氏商場
漢字で書くとこうなるがフランス現地名はTang Frereという中国系のスーパーマーケット。これまでの店が外国の特殊な食材を扱う小さな店であるのに対してここは中華および広くアジアの食材を集めたスーパーマーケットである。肉も魚も野菜もある。ラーメン、豆腐、肉まん、すり身ダンゴといった生鮮品もある。インスタント麺も充実、冷凍食品も完璧である。場所がら多くのアジア人、中国人のみならず東南アジア系の客も多く、扱っている食品も純中華からタイあたりまでカバーしている。純日本はほんのわずかであるが代用品は多い。日本の店では手に入らないものもある。
豆腐は中国のもので少し硬めであるが普段食べなれている豆乳を固めただけのものに比べて断然食べ応えがあり安い。ラーメンは本場中国の卵めんでこしが強い。何故かおいしいスープが無いのでラーメンスープは日本から調達。野菜では、しいたけ、白菜、大根、ねぎ、オクラ、などなどフランスの店では手に入らないものも勢ぞろい。いつもはこのあたりのものを1ヶ月に1回買いに行く。中華のものはほぼ揃う。トウマージャン、チーマージャン、テンメンジャン、かきソースなど調味料もOK。
いいこと尽くしのこの店の唯一にして最大の問題点は、いつでも混んでいて駐車場待ちが半端でないことである。この店、アジアパワーでいっぱいなので日本人の影は薄くなるのは当然としても日本人を1度も見かけたことが無いのは不思議である。たしかにお世辞にもきれいな店とは言えないし、パリでもパリ的華やかさから程遠い地域にあるのはたしかだが。リーズナブルな価格で豊富な食材も上記の日本食材の店のお得意様にとっては経済的メリットなどは関係無いのかもしれない。陳さんのチェーン店はこの近辺での数店あり、食器や日用品の店もある。
Avenue d'Ivry、パリ13区。

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