カキ貝
カキ貝は数少ないフランスで生で常食される魚介類のひとつである。他の食材はほとんど原型をとどめないほどまでに調理されるのにカキ貝のみ例外であり実に不思議なものである。
カキ貝は俗にRのつく月に食べると言われるが(!?)実際のところRのつく月は年の2/3を占めるのでほとんど年中食べごろ、夏は控えろと解釈できる。夏がダメな理由として推測できるのは、そもそも貝がおいしくない、気温上昇で輸送中の衛生状態がよくない、海水温の上昇で食中毒を起こす微生物やウイルスが多い、夏には貝毒プランクトンが発生する、などであろうか。ところがいまどきは夏でもカキ貝を魚屋で見つけることもできるしレストランでも提供されている。衛生状態は過去のものかもしれない。そして貝毒がひとたび出たならば・・・これは大変な騒ぎになるはずである。
カキ貝は例外なく殻つきのまま売られている。日本のように身だけ海水につけられて売られているのはないし、生食できないものが売られることもない。何に使われるのかはわからないが身だけを冷凍しているものはある。殻むきは面倒だがコツをつかめばそれほど苦でもなく楽しめる。なんと言っても殻つきで盛り付けられたカキ貝は見た目が豪華で食欲をそそる。ただ、貝は1ダースいくらという売られ方では気にならないが、1キログラムいくらという値段がつくと殻の重さが恨めしくなる。
カキ貝は産地によって貝の姿形も味も違っている。たまたまスーパーマーケットAuchanの広告にきれいな写真があったので引用してみよう。どれがおいしそうであろうか?どれが日本人好みであろうか?
Blainville-sur-mer et Agon-Coutainville,ノルマンディー西岸
Baie d'Arcachon, Cap Ferret, アルカション湾
Riec sur Belon, Carantec et Quiberon, ブルターニュ
Riec sur Belon, Trégor, ブルターニュ
Bouzigues, Etang de Thau, 地中海
Cancale, Baie du Mont Saint-Michel, モンサンミシェル
La Roche-Jaune, Tréguir, Riec sur Belon, ブルターニュ
Ile d'Oléron, Marennes, la Tremblade, オレロン
Baie de Bourg-Neuf, Noirmoutier, "perles vertes"
Utah Beach, ノルマンディー東岸
もどる