大根


radis 日本食には欠かせない食材、大根はフランスでも入手可能である。おでんに煮物にそして焼き魚には大根おろしが欠かせない。ところがその大根と言ったらどうも様子が違う。ひとくちに大根と言ってもいくつか種類があり、味も食感もぜんぜん異なるのである。
まず初めに日本の大根と見た目がほとんど同じであるradis blanc(白大根)はその名のとおり白い大根で大きなスーパーマーケットや中国、アジア系の店で手に入る。大きさも日本のものとほぼ同じでなんとなく安心してしまう出で立ちではあるが、不思議なことになかなか新鮮なものにめぐり合うことは少ない。買ったときにはぴんぴんしているものもあっという間にしなしなである。味も寝ぼけている。
白大根より頻繁に見かけるのがradis noir(黒大根)である。これは実に不思議な野菜で、確かに大根ではあるが皮が真っ黒である。ひと皮むいたその中身は白である。見てくれが悪いのでちっとも食指が動かないのであるが、会社のレストランではこれの細切れを白いクリームで和えたサラダがあり大根特有のピリッとした味わいが悪くない。一方、この大根を和食に利用すると強すぎる味とものすごい灰汁で使い物にならない。
最後に写真にあるような大根、こちらでは単にradisと呼ばれているが、指先大の小さな大根である。鮮度がよくみずみずしいものはしゃきしゃきとした食感がよく、大根らしい辛味もあり何もつけずにそのままぽりぽりとおつまみ代わりに食べ始めるともうとまらない。大根本来の料理にはまず向かないがぬかづけ程度であればなかなか良好である。この大根はやはり新鮮なしゃきしゃき感がうれしいのであるが、フランス人はこれにバターをつけて食べる。実に不思議な組み合わせである。
大根の値段は1本8から10フラン。「赤」大根の束は1束で4フランくらいだが、たいていのスーパーマーケットでは3束10フランで売られている。


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