ミネラルウオーターの分析結果

ある学術雑誌の分析機器広告にミネラルウオーター分析例の表があった。もちろん広告で目的とするのは水の水質を提示することではなく、この分析機器で水質基準のこれだけの成分が一斉分析できるということを言いたいだけである。
ところが表をよく見ると気になる点が見つかった。表の一番上の行はミネラルウオーターの名前の頭文字と思われるものがあったが、容易に銘柄を特定できる上にこれから書く内容が読む人の感じ方によっては微妙なのでぼかしを入れてある。問題なのはぼかしが入っている列の3番目、4番目の水で成分はヒ素/Asである。基準値と比較してほとんどマージンがない事がわかる。ただしここでの基準値は水道法によるものであり、ミネラルウオーターが有すべき水質の基準としてのヒ素はこの5倍である50µg/Lである。ミネラルウオーターは所詮清涼飲料水扱いであり、水道水ほどの安全性が求められていないのである。これに関してはいずれ別途書く予定。
この表はある意味うまく出来ており、ミネラルウオーターのラベルにかかれているメジャー成分が載っていないためそこから銘柄を特定することが出来ないのである。なお、ヒ素が基準値をすこし超えたからといって飲んですぐ和歌山ヒ素カレー事件のような急性症状があらわれて死に至るということは無い。



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