フランス語の母音


IPA tableもう一度この表を見てみよう。このIPAによる発音表記は世界標準だがいまいちよくわからない。なので今回は日本語の母音にはひらがなを振ってある。これで日本語母音の範囲とフランスの範囲が一目瞭然である。さっそく個々の発音をみてみよう

まずは日本語とフランス語が完全に重なっている、[i, e, o, a]、つまり赤文字でひらがなの「いえおあ」は日本語の発音をそのままフランス語に使ってしまって構わない。これは楽だ。

[o]と[ɔ]、どちらも「お」であるが、フランス独自の[ɔ]はこの表によると日本の[o]よりも口を大きく開けて発音することになっている。

フランス語のう[u]の発音では日本語のう[ɯ]の発音を唇をすぼめて発音することになる。

フランスの二つ目のあ[ɑ]は日本のあ[a]に対して、舌の位置を後に持ってくる。これはなかなかイメージがわかないが、一言で表すならあくびの「あ」である。おおきな口をあけてあのあくびの時、舌はかなり後にまで後退するがまさにこれだ。と私は習ったが、どうもこの区別はかなりあいまいである。

IPA tableすると微妙なのが[ɛ]の「え」の他、[ø][œ][ə]などである。実際のところ[ɛ]はほとんど[e]に近く、このふたつの[ɛ]と[e]の隣にある、[ø]と[œ]はそれらから遠くむしろ[ə]に近い。これをどう発音するかと言うと、まさに「え」と「う」の中間である。フランス語を読むといっぱい出てくる、英語でいうofに相当する単語、deの発音である。日本ではキャッチコピーで「なんとかdeなんとか」というのがよく使われるが、deは「デ」とは発音しない。しかしこんなに乱暴でよいものか?ちゃんとした教科書ではこの微妙な「え」と「う」の中間音はきっちり発音し分けなければならないとある。口の開き具合と舌の位置の微妙な関係でこの三つを発声し分けるのはかなり難しい。

最後に[y]、「い」のすぐ隣にあるが「い」のつもりで口を少しすぼめるとほとんど「ゆ」となるがそれでよいのである。

参考文献
Wikipedia, 母音、あるいはWikipediaで「母音」で検索すると表示されます。
白水社、現代フランス語辞典。発音記号の確認に使用。
11 février 2008


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