浄水機


brita 浄水機というネタは果たして「フランス」ネタなのかそれとも「食卓事情」なのか?「おいしい水」のネタなのかもしれないが、これは浄水機の機械そのものの話である。
ペットボトルのミネラルウオーターの価格が日本とは比べ物にならないくらい安いフランスでずいぶん無造作に水あるいはペットボトルを消費してきたが、資源の消費を考えると無視できない。一方、アメリカでの大規模テロ直後にあったアントラックス騒ぎでフランスの水道水の塩素濃度も上がる一方である。そこで日本にあるような蛇口につける浄水機を探すと、あるにはあるが品揃えも少なく高価な割に貧相なものばかりである。一応メーカーは水処理では超一流のものばかりである。
意を決して一つ買ってみたのがこれで、浄水機というよりも浄水ポットで有名なブリタ/Brita製のものである。浄水機自体はずいぶんシンプルで、蛇口取り付け部からそこにあるレバーで浄水、原水を切り替えて使用、カートリッジ交換サインは電池駆動のランプがあり、浄水製造中にカートリッジ内圧で動作するダイアフラムスイッチで使用時間をカウント。カートリッジ内部は粒子状活性炭を樹脂で固めた多孔質体でこれ自他がフィルターとして働くが、日本で主流の中空糸膜は使われていない。浄水流速を制限し水の活性炭接触時間を確保するために中には流速を一定に保つ特殊バルブがあり思ったほど流れはよくない。
取説には規定使用量の範囲での各種不純物の除去性能例が微に入り細をうがってかかれている。塩素はもちろん重金属、農薬、溶媒のような揮発性有機物の類、微生物や虫ときわめて広範囲のものがカバーされている。これだけでも結構な仕事だったはずである。
データに裏付けされた性能、ブリタのブランドイメージとくれば非の打ち所がないはずだったが浄水機はあっという間に壊れてしまった。蛇口に取り付けるジョイントが折れてしまったのである。一応、カートリッジ一回交換までは持ちこたえたがその間のレバー切り替えで加わる力によるものか、もしかするとカートリッジの自重にすら耐えられなかったのかもしれない。よく見ると折れた部品はずいぶん華奢なつくりでおよそ堅牢なドイツ製品とは思えない。日本の工業製品なら絶対に許されないものである。はじめはたまたまウチがはずれくじを引いたかとも思ったが、程なく改良されたと思われる製品が市中に出回り始めたのでメーカーもこの問題を把握していたのであろう。現在は蛇口取り付け部の構造が写真のものと異なる。
しかし、ブリタに恨みがあってこんなことを書いているわけではない。今ではこの浄水機に変わってやはりブリタの浄水ポットがウチでは大活躍している。改良された蛇口接続も問題ないであろう。なんといっても不純物除去性能の表には脱帽である。

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