洗濯機


洗濯機の乾燥機機能がうまく働かないとの妻の苦情から中を開けて修理を試みる。
その前にヨーロッパの洗濯機事情から。ヨーロッパの洗濯機は全てタンブラードラム式、すなわち洗濯槽は垂直に設置され乾燥機のような形である。その形態から推するとおり、乾燥機機能が備わったものが多い。一方でアメリカは日本と同じ水平方向に設置された深い洗濯槽でたっぷりの水を使うものが主流であるのをコインランドリーで何度か見た。タンブラー式の利点は使用する水の量を少なくすることが可能なことである。実際、家電店で洗濯機を見ると各メーカー使用する水の少なさを競っている。もちろん使用する電力もである。ただし洗濯の自体、日本式のたっぷり水でジャブジャブとは対照的な、濡れた洗濯物をばたばたかき回す方法は服の生地に良いとは思えない。生地への負担は同時に物理的な洗浄力でもあり、日本ではイマイチすっきりキレイに洗い切れなかったシャツの襟なども驚くほどきれいになっている。
最後の脱水が終わるとそのまま、タンブラーが緩慢な回転に切り替わり乾燥がスタートする。比較的乾燥しているParisおよびその郊外では洗濯物の乾燥はとても速いのだが、冬の日照時間が短く曇り雨がちな時期には必需品である。
故障個所は、乾燥機機能。乾燥機のヒーターが動作しないようである。ヒーター自体が壊れていればおしまいだが、単なるスイッチの接触や温調の問題ならなんとかなる。というのはうちの洗濯機、日本のハイテク電子制御家電からは程遠い、オール機械制御の洗濯機なのである。洗濯時間の設定はタイマーダイアル、その進行に応じて電磁的にバルブを開けたりモーターを回したり。決して10年20年まえのふるい機械ではなく、3年前購入されたものの払い下げ品で、今店先に並んでいるものもそれほど変わらない。日本のような恐ろしく高度な付加価値で消費者の目をひこうとか利益を得ようとかいう考えが通じないのだろうか?機能に対するその価値と価格という考え方がしっかりしているのであろうか?家電製品のレベルがまだまだ低いのか?いずれにしても同じトラブル、日本のマイクロ制御電気製品ならお手上げだったであろう。
最近妻が言うには日本の電気製品はやたらと電子音が鳴る、ボタンを押すたびにピッピッピッ、そしてほとんど見ることなどない大きな液晶ディスプレイがついているという。


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