ロンポワン


カタカナで書くとなんのことやらであってもフランス語表記ではrond point、すなわち道路の交差点にあるロータリーである。
交差点での交通制御には交通量がよほど多くない限りこのrond pointがかなり有効で信号の設置が不要になる。もちろんそのための土地が必要になることと歩行者があまり優遇されないという欠点もあるが。また大きな幹線道路などはrond pointにより直線が分断され、運転の快適さが損なわれることもある。
まったく見知らぬ土地をはじめて運転する場合、地名も方角もまったく見当がつかなく次の交差点をどちらに曲がれば良いか?という選択を迫られた場合、rond pointはありがたい。取りあえずぐるりと一周して全ての行き先表示をみてから行きたい方角に進むことが出きる。一周で答えが出なければ何週しても誰にも文句は言われないし迷惑もかからない。交差点直前の路肩に止まっているのはちょっと危ない。一方で、混雑している大きなrond pointではぐるぐる回っていると内側に入ってしまい出るに出られなくなることも。
Rond pointの大親分といえばParis、Avenue des Champs Elyseeの終点、Place de l'Etoire、凱旋門のあるあのrond pointである。12本の放射状の道路が集まり、中心には巨大な建築物、凱旋門があるこのrond pointはとても大きく、中の車線がわからないほどである。一度中に入ると車は凱旋門を中心にくるりと回り目的方向の道路に抜けていくというような行儀の良いものではなく最短のコースを通る。したがってあるとき突然、外に出ようとする車が目の前を横切ったり、新たに入ってくる車が真横から突進してくることもある。そして皆行きたい方向を確保するためにスピードを上げ、車線無き車線を超えて抜けてい行く。本当にどうなっているか知るには、自分で運転をしてみるかまたは、もっと客観的で安全で良くわかる方法だが、凱旋門のてっぺんから見下ろすことである。
Place de l'Etoireには凱旋門があるが、その他の小さなrond pointの中心には、自治体が管理するきれいな花壇、大きな時計、石造りのモニュメント、柳の林、荒地など工夫が凝らされている。町をきれいに飾るには格好のポイントである。

ロンポワン近し

道を譲り給え


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