鉄道生活(テツ人生)


さらに好評に答えるべく「テツ」第三弾である、って前回更新からアクセスカウンターがぜんぜん増えずして好評と誰が言うぞ?オオーッ。月下の酒場にて薀蓄をたれるテツにも純情可憐なる者あり。轟く鉄輪、握るマスコン、睨むTICS・・・(ネタ切れ)。さらば歌わん哉、われらが鉄道放浪歌。Eins zwei drei・・・

shinkansen1 なんてったってテツである。日々の情報収集に怠りがあってはならない。と言うことでフランスの鉄道雑誌を紹介しよう。これだ。La vie du rail、鉄道人生まっしぐら。そう、人生はレールの上をひたすら走るのである。という冗談はさておき、最寄の公営図書館の公開書架にはこの鉄道雑誌がある。フランスそして世界の鉄道情報に加えて毎回、特集記事が組まれている。今回は「フランスの鉄道戦略、落日のエールフランス」(超訳)であり、永久保存版「世界の高速鉄道」である。それにしてもすごいのは時速200キロメーター強の高速鉄道を運行するためのすべての技術を習得しているのは世界でたったの3カ国、日本、フランス、ドイツしかなく、もちろん日本の新幹線がそのさきがけであったと言うことである。さあ薀蓄の始まりです。その新幹線も建設には資金調達のため世界銀行から借金をしており、1985年に完済しているのだ。経済発展で先進国の仲間入りを果たさんとしている時であっても、国際社会からの援助をまだ必要としていたと言う当たりがなにか昭和を感じさせる。そして80年代、日本は大きな変貌を遂げたが、1985年で感慨深いのはこの年につくばで行われた科学万博であろうか。ひとつの時代の節目と新しい科学技術時代の幕開けとも言おうか。

shinkansen2 さあ、記事のほうはフランスびいきなところがあれども、高速鉄道一覧はなかなかなものである。最高時速ではフランスのTGV、スペインのタルゴは少し先を行っているが、我が邦にはネコミミ、ファステックたんが控えている。しかし注目すべきは最高速度ではない。いまや最高速度300km/hで山陽線を走る500系よりも最高270で東海道を走るN700のほうが表定速度で上なのである。で、世界の車両のスペック上で比較すると日本の新幹線が他を圧倒するのがその馬鹿力である。最大出力なんと18000kW、25000馬力である。ウチの電力契約は230V-30A、6kVAであるから、なんと3000世帯もまかなえるということだ。いや3000世帯ぶんの電気を使うのだ。もちろんこれは加速時のフルパワーであり、超過密ダイヤのなかさっさと最高の巡航速度にいたる必要があり、線形に難がありこまかな加減速が必要なお国事情からである。これと比較してTGV一族は出力半分くらいである。例外として同じような事情を抱えたユーロスターが10000kW強であるくらいだ。そしてさらに圧倒的なのが、一編成あたりの長さとその定員である。東海道、山陽の「のぞみ」の16両、定員1300名強ははやり圧倒的である。TGVの定員はこの半分である。長さじゃあまりかわらないのに。

エアラインの拡大で鉄道輸送など斜陽と考えられていた50/60年代の日本の政治的決断としては、とても先見の明があったもののひとつであると言えよう。あるいは戦前からの弾丸列車計画の怨念がここまでさせたのか。一通り見てもやはり日本の新幹線車両はバラエティに富んでいて技術に対する執着心という意味でおもしろい。TGVやICEは生まれ出でた時からさっぱり形が変わっていないが、日本の初代0系から最新のN700のブサイクさなど想像もつかないほどの進化ぶりは比較にならない。そのなかでも最高はやはり500系のかっこよさであろう。外人を日本で新幹線に乗せるならぜったいにこれだ。カモノハシの微気圧波対策も話のネタに悪くないが、フランス人をギャフンといわせるならあのデザインしかない。

ということでテツ第三弾はここまで。次回予定はないし、ネタの準備もないのでテツもしばらくお休み。もしかすると予想に反してそう遠くないうちにかえってくるかも!?個人的に気になっているのがパリ、メトロ探訪である。あのトンネルの複雑怪奇さといったらなかなか奥がふかそうだ。それではごきげんよう。いやしかし、背伸びをすると足がつるんですよ。


戻る

inserted by FC2 system