モンブラントンネル


モンブラントンネル/Tunnel du Mont Blancはフランスのシャモニ・モンブラン/Chamonix-Mont Blancとイタリアのクールマイヤー/Courmayeur結ぶ、文字通りモンブラン直下を抜けるトンネルである。以前、多数の死傷者を出した大交通事故が起こったモンブラントンネルも復旧工事やら安全対策やら末にはトンネル閉鎖の住民投票まで経てようやく再開された。このトンネルが閉鎖されている間、イタリアへわたるにはモンブラン山系を南西方向から迂回しアルベールヴィル/Albertvilleを経てさらに別の長いトンネルを通らなければならなかった。

tm1 トンネルの入口はシャモニ・モンブランの町はずれでボソン氷河/Glacier de Bossonsのそばにある。町からはかなり急な道路を登らなければならない。トンネルの向こうはイタリアでトンネル内に国境があるのでトンネルに至る道路には検問があり、警官も監視の目を光らせている。
トンネル入口手前に料金所がある。料金は乗用車往復で34€。高速道路のように料金所で通行料を支払ってもすぐにはゲートが開かない。前に走っている車との距離をとるため少々待たされることがある。待ち時間はゲート横の表示板に5, 4, 3, 2, 1(秒)とカウントダウンで表示され、さあ出発の段にはじめてゲートが開く。ところが料金所ブースはいくつかありこちらがカウントダウンに入っている間によそのブースから出る車があったり、あるいはトンネル内の車速あるいは車間監視によるものか、時として6, 5, 4, 5, 6, 5, 4, 3...のように時間が逆戻りすることがある。

tm2 フランス側からは入口からしばらく急カーブでそれが終わるとずっと直線である。多少上下の起伏はあるが本当に一直線である。この一直線のトンネルが11キロメーターも続くのである。トンネル内には自動車用トンネルとしては最上級の照明が設置されており大変豪華である。壁面には150メーター間隔で青いライトが設置されておりこれが車間距離の目安となる。つまり車間距離150メーターが義務付けられているのである。速度は最低時速50キロメーター、最高70に規制されている。

tm3 トンネルは片側1車線の対面通行で路側帯はないに等しい。かわりにかなり頻繁に自動車用退避場所が設置されており、人用退避口も見える。運転していると気付くのは監視センサーと思われるものの多さである。カメラのようなものが見えたり、車が近づくと赤色のライトが点滅、点灯するセンサー(車速をみているのかそれとも単に車の通過を検知しているのか)、レーダー車速測定もある。

tm4 長いトンネルを抜けるとそこはイタリア、クールマイヤーである。地続きで国境に接するベルギー、ライン川沿いのドイツ、スイスと違い巨大な山脈に隔てられているゆえに文化の境界線もはっきりしていると感じる。同じアルプスの山小屋でも造りが全然違うのである。北西方向の大西洋から来る雲も山を越えられないのでシャモニにが曇りでもイタリア側は晴天である。


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