テレビ


フランス語でもやっぱりtelevision。フランス人は略してtele(テレ)と呼んでいる。
フランスで見ることが出来るテレビは全部で3種類、地上波放送、衛星放送、そしてケーブル放送である。

フランス全土で見ることが出来る地上波放送は全部で6チャンネルでそのうち2つが国営放送、1つがスクランブル入り有料放送である。
現在住んでいる地域、Saint Quentin en Yvelinesではケーブルテレビが敷設されており、地上波放送に加えていくつかケーブルからのチャンネルも見ることが出来る。

TF1はフランスを代表する民放。テレビの1チャンネル目を占める。ニュース、報道、スポーツ、バラエティー、映画、そして子供向けのマンガまで幅広くカバーする。このチャンネルの名物は何と行っても、夜8時からのニュースのキャスターを務めるPatrik Poivre-d'Arvorである。ニュースキャスターにして世界の多くの要人とのインタビューをこなす、ニュースの鉄人である。難点はフランス語が聞き取りにくいことであることと顔が北島三郎似ということである。映画は週二回で火曜日と日曜日の夜8時50分位から2本だて。ハリウッド映画半分フランス映画半分という比率である。その他面白い番組としては、Video Gag、投稿映像のような面白い映像、くだらない映像を延延と紹介する番組で日本のさんまのからくりテレビの前半、Funniest Englishまでの雰囲気である。Combien ca cout?はそ名前のまんま、How muchである。30 Millions d'Amisは自然と動物のルポルタージュで動物愛護団体Fondation 30 Millions d'Amisによる番組である。偽善的な動物保護などが目的ではない、楽しくも時に悲しい番組である。F1の放映権を持つのはこのTF1である。予選から決勝そして勝者のプレス向けインタビューまで完全生中継でカバーされるのがうれしい。

France 2はフランスの国営放送で日本でいうとNHK総合に相当する。NHKの受信料よりも強制力のある料金がテレビなどの装置を購入するときの登録により徴収され、一旦国庫に収められた後この放送局の運営などに使用されるらしい。が、しかし、NHKとは根本的に違い、放送局の中立性について厳密であることはないし、テレビコマーシャルもある。挙句の果てには職員のストライキで通常放送が中断する始末である。お勧め番組は、朝の7時8時の時間帯、他局がみんなそろって子供向けマンガを放送する中、唯一放送しているニュース。夏のバカンスシーズンのみ限定で放送されるFort Boyardという視聴者参加のアトラクション番組、出場者が昔なつかしの風雲たけし城や電撃イライラ棒などのゲームをこなして金貨を得るという構成である。
NHK衛星第2で見ることが出来るフランスのニュースはここのものである。

France 3はFrance 2と同じく国営放送。雰囲気としては日本と同じくNHK総合に対してNHK教育があるように、比較的教養番組が多い。ニュース、天気予報などは全国版と地域版の2本立てになっているのできめこまかくカバーされている。
2と3合わせてLe bouquet internet de france televisionからもどうぞ。

4チャンネル目はCANAL+(Canal plus、カナルプリュスと発音)という有料放送の局である。国営放送のような強制的な視聴料徴収方式ではなく加入契約者のみからの徴収、日本のWowWowのように放送が暗号化されており契約者は契約時に購入するデコーダーを使用する方式である。番組構成も限りなくWowWowで最新の映画、人気のスポーツ、シリーズドラマなどなど内容が濃い。やっぱりWowWowのように番組の合間にはスクランブルの入らない放送が入り、視聴者を勧誘したり、ちょっとした番組を放送したりしている。WowWow同様に映画好きなどの方にはたまらないが、1チャンネルで月180フランは少々高価である。フランスのサッカーリーグ放映権はここがおさえている。サッカー放映権というのは有料放送局にとってとても強力な武器である。

5チャンネルは少々複雑である。このチャンネルにはドイツとフランスの2つの放送局が相乗りしている。1日の始まりは5e(La cinquieme、ラ・サンキエム)で始まり夕方になるとarte(アルテ)に代わる。これら2つ放送局の番組は上記4チャンネルと比較すると派手でばかばかしい番組はほとんどなく、格調高い教養番組が多くを占める。文化、音楽、芸術などの分野はもちろん受験生向けの数学教室のような番組まである。ヨーロッパでは芸術性の高さが評価されている日本の映画、小津、黒沢などの作品が放送されることもある。2か国をまたがる放送で音声は各国語で放送されているが、番組中の字幕などはドイツ語とフランス語の両方が表記されているので、今晩の番組案内にはHeute AbentとCe soirと両方並ぶ。

M6はひたすらわが道を突き進む。唯一浮いた感じのする局である。もっとも顕著に感じたのは1998年ワールドカップの時、この局はワールドカップ関連の放送を一切行わず、0% coupe du mondeを掲げていた。TURBOは自動車関連の紹介番組で新車レポートや試乗分析などを行う番組でおもしろい。ZONE INTERDITEは犯罪、汚職、事件など触れてはいけないものをレポートする番組でハラハラ面白い。その他、X-filesに代表されるようなおいしいシリーズ物も放送している。

もう一つの5チャンネルTV5は正体不明である。何故に5なのか調べると5大陸にまたがる放送局というだそうで考えていたよりもスケールが大きいのであった。たまに2や3の番組を流用した再放送のようなものをやっていたりとあまりまじめではないが、天気予報は地球儀上で世界の天気を紹介している。

TVFIL78はフランステレコムのケーブルテレビ線で配信されるチャンネルで、Saint Quenin en Yvelinesの地域のみのローカル局である。放送の大半は静止画像で地域情報、劇場の上演予定、不動産案内、などが流れている。動画の時間には地域イベントを放送したり、地域の人をインタビューしたりという番組がメインでダイナミックさに欠ける。良く言えば地域密着局といえよう。これまでのなかで地域の人のインタビューでもっとも大物といえば、Renaultの社長!?(研究所がこの地域にある)そしてAlain Prostとなるとあながちシケたものでもない。

ケーブルテレビはいくつかの都市でローカルなものもあるが、最大手はFrance Telecomによるケーブルテレビである。地上波放送、衛星放送、ローカル局などを全てまとめてケーブル網を使いデジタル配信している。このケーブルを使ったインターネットサービスもあり、最大2Mbps以上の通信速度で常時接続、月285フランはフランスでの他の接続と比較してネット依存症の人にはお勧めである。サービスはフランス全域をカバーしているというわけではないが、フランスでは通信の最大手がここまで進んだサービスをすでに行っているのだから、NTTにはもう少し努力してもらいたい。

衛星放送はヨーロッパをカバーする3つの衛星、Hot Bird 13E、Astra、Telecom2Bから送信されている。

インターネットでの放送はYahoo! FranceのAccueil > Actualite et medias > Diffusion sur Internet >をたどると見つかります。

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