カルナック/Carnac/Karnag



カルナックはブルターニュ地方の南側、モンサンミシェルのあるイギリスと対峙する海峡とは反対側の大西洋岸の町であり、この地には太古の巨石文明の遺跡が残っている。巨石群といえばイギリスの方にある巨石が広場に円形に並べられたストーンヘンジやストーンサークルが有名である。それらに比べるとどうも地味と感じるのはその方面の知識がないだけかもしれない。この地をブルターニュと呼び、イギリスの方をグランブルターニュと呼ぶように文化的には当然近いのである。それは太古の頃からそうだったのかもしれない。何故ならフランスの他の地方にこのような巨石文明は見当たらない。

巨石のまえにいきなり脱線だが、カルナックといえば、ブルターニュといえばなんといってもタラソテラピーの本場で今回の旅行もそれが当初の目的のひとつであったが、当然ながら結構な人気でありパックのバカンス時期ということもありどこも満員のようである。カルナックにあるタラソテラピー併設のホテルはみな満室どころかオンラインで調べる限り半年先まで一杯である。困ったものだ。

carnac1 巨石群は町の広い範囲にあり、全体を見るとそれが点在というわけではなく森林や畑の間を抜ける一筋といった感じである。まずは町の南東のあたり、ケレスカン巨石群/Alignements de Kerescanからである。なんの変哲もない畑あり民家ありの小さな小道を進むといきなり金網の柵にまもられた一角に岩がごろごろと言うのが見えてくる。もちろんタダの岩ではなく意図的に立てられた巨石である。どう見まわしてもこのあたりに天然の岩は見えない。金網は遺跡の保護用で中に入ることはできないと思っていたが、途中に扉があり解放されていた。それにしても人っ子一人いなければ回りに車もない。巨石遺跡としては地味でしかもこの先に資料館併設の見所があることになっているので普通の人は素通りなのか?

道なりに進むと大小さまざまな石が見えてくる。ケルマリオ巨石群/Alignements de Kermarioと呼ばれるもので、ここには先ほどのポイントよりもより大きな巨石あり、また小さな石も整然と並べられている。ここには小さな駐車場があり、巨石群の中を通る遊歩道を通って見学できるコースがある。
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carnac4 駐車場のすぐそばには、このあたりの目玉とも言える石の構造物がある。このあたりの見学コースではこれが唯一の構造物である。このようなテーブル上の構造物をドルメン/Dolmenと呼ぶ。ただたっているだけの石はメンヒル/Menhirという。左の写真ものは紀元前3000年以上前のものらしい。なんとなく明日香村の遺跡が思い出されるが時代が違えば質も違う。

carnac5 さらに進むと森から出て視界が広がり、そこら中巨石だらけのところに到着する。もう巨石のオンパレードである。このすぐそばに資料館があり、見学客も多くなってくる。ここも巨石は金網の内側だが中に入ることが出来る。この群落にはメネック巨石群/Alignements de Ménecと名前がつけられている。

carnac6 はたしてこの石が日本的に言って天然記念物なのか文化財なのかわからないが、人と同じく羊が接することが許されているようだ。
資料館からは観光地のお約束、小さな汽車型の観光周遊汽車がでている。これに乗るとカルナックとその周辺の町のを巡りその観光案内、そして巨石群通りを通って帰ってくる。この汽車に乗るに当たって覚悟しなければならないのは出発すると途中下車ポイントが一つあるものの、一回りするには小1時間ほどかかることである。この手の観光地の乗り物にしては随分と長旅である。が、カルナックの砂浜のある海岸からとなりの港町への海岸線の通りは晴れているととても気持ちがよいものである。

carnac6 おまけであるが、カルナックからさらに南、細い半島というか岬の突端にキブロンという町がある。これがまた凄く細い半島で、途中半島の幅が1キロにも満たないところがある。いつまでたっても汽車が通る気配のない線路沿いにたまに駅らしきものも見えるが駅舎はおろかプラットフォームすらない。どうやら夏のバカンスシーズンしか運行していないようだ。町の中心にはきれいな砂浜があることから夏には結構なリゾート地になるであろう。すぐ横の港から出るフェリーは沖にあるBelle îleという島に向かうそうだ。海のそば、しかもブルターニュということもあり海の幸がおいしい。

おまけのおまけ
この旅から帰って1月ほどの間、謎の肩こりに悩まされた。肩こりどころかかなりの激痛である。古代人の祟りか?

carnac6 道路情報
Paris、Porte de Saint CloudよりN10でBoulogne方面へ。Pont de Servreでセーヌ川を渡ったらN118へ。しばらくするとA10-E50に合流。Ablisで出て、D117をAuneau方面へ。

Paris、Porte d'AuteuilよりA13でVersailles,Rouen方面へ。途中分岐点ではA12 Saint Quentin en Yvelines方面へ。A12の終着はN10に合流でここをRambouillet方面へ。Rambouilletを過ぎるとAblisでD117をAuneauめざして。

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