シャルトル/Chartres



シャルトルはパリから南西の小さな町である。
シャルトルに近づいていくと地平線から現れてくるのがシャルトルのカテドラルの尖った塔である。はじめていくにもかかわらず「あれ」というのがすぐわかるほど大きく目立つものであり、ここシャルトルの目玉であり目的地である。

シャルトル市街地に入るとカテドラルは建物の影になり見えなくなる。ただし、道路標識がしっかりしていたので、それをたどっていけば迷わず近くにまで行くことができる。駐車場もたくさんあるので安心。

カテドラル正面の手前に観光案内所があるので用はなくとも一度立ち寄ることをお勧め。こういうところには現地で当日でなければ手に入らない情報があることが予想される。

cathedrale カテドラルはちょっとヘンな形だがとても美しい。左右非対称の塔は建物の外観を一見アンバランスに見せるがそれぞれが違った様式で作られ本体でうまく融合している。というものの、左右異なる尖塔は建築した当時にあえて違う様式を取り入れたというより、二つの建築時期に起因すると思う。複数の時代の建築様式を一つの建築物に取り入れるという荒業はそう頻繁に用いられるとは思わない。しかも神聖な場所である。

chartre2 向かって右の塔がとんがり帽子のシンプルなものであるが、左は段々階層の複雑な塔である。

建物自体がとても美しく見えるのはなぜであろうか?たとえばパリのノートルダムと比較して。
建物の材料である石が明るい白であることが考えられる。パリのが何か黄ばんだ感じがするのはもとの石の色のせいかそれとも排気ガスによる汚れか。いずれにしてもきれいとは言えない。
二つの尖塔が大きなポイントであることも間違いない。尖塔の細かさが、建物全体としての壮大さに繊細な美しさを加えている。
立地条件も当然加味される。パリのような万年大混雑の上、狭苦しいところで、いつまでたっても修復工事の覆いが取れないノートルダムは何かガッカリさせられるものがある。たとえるならば札幌の時計台であろうか?札幌出身の夫にとって何の違和感もない時計台も旅行者にするとビルの谷間にある時計台は期待はずれだそうである。ここシャルトルはお世辞にも大きな町ではないので何か静かでのんびりしている。

中からはきれいなステンドグラスが鑑賞できる。全体を漠然と見るも良し。一つ一つのデザインを見るも良し。それにしても、それぞれの図が何を表すかまったく意味が解らない。
左の塔には登ることができる。ただし、狭い石段を登りつづけるにはそれなりの覚悟が必要である。しかもパリ、ノートルダムのように上から市街の大パノラマというものが約束されているわけではない。見えるのは小さな町とはるか彼方に広がる田園風景である。鐘楼のような史跡の石段を昇る際のアドバイスとしてはなるべく階段の端を歩くことである。多くの人が登り降りすると石段は磨り減るが、主に中心部が磨り減ってしまう。偏減りは修復の際手間がかかるのでそれを防ぐためにも、たまには普段歩かない部分を歩く必要がある。と鐘楼愛好家の妻曰く。

お勧めスケジュールは、正午から午後2時までお昼休みで観光案内所およびカテドラル内のサービス(売店および塔の入口)が中断される。この時間がもっとも空いていると思われるので中をゆっくり見たりするのに良い。ただし、レストランでの食事を予定するならば注意。レストランの多くは2時半から3時で昼の営業を終了してしまう。

道路情報
Paris、Porte de Saint CloudよりN10でBoulogne方面へ。Pont de Servreでセーヌ川を渡ったらN118へ。しばらくするとA10に合流。分岐点でA11へ行けばあとはChartresの出口までまっしぐら。

Paris、Porte d'AuteuilよりA13でVersailles,Rouen方面へ。途中分岐点ではA12 Saint Quentin en Yvelines方面へ。A12の終着はN10に合流でここをRambouillet方面へ。あとはひたすらN10をChartresまで一直線。


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