プリウス特設ページ


プリウスは本当にエコか?

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車の走行距離や燃料消費をちまちま記録する習慣がすっかりついていたので、早速データ公開なのである。こういったデータの公開は日本全国津々浦々のプリウスオーナーのブログやらウエブサイトで散々おこなわれているであろうが、こちらがそのお仲間に入るには少々特殊なフランス、ヨーロッパからの参戦である。運転席が逆についている以外、何か仕様で違うこともあるかもしれないので・・・なお比較のため先代の車Renault Scenic IIの3年分の履歴を載せておきます。データは運転状況のかなり異なる週5日(月から金)と週末2日の2つからなります。ウイークデーは通勤の町乗りでしかも週50-60kmくらい。週末はお買い物やお出かけがあります。

ちいさな点々のうち紺色のものが週5日(月から金)、緑のものが週末2日間のもの、いずれもRenault Scenicのものです。冬の冷え込みが厳しいいWeek45辺りから翌年Week10までは週末の遠乗りで効率の低下が見られます。ウイークデー、週末でそれぞれ大体10km/Lおよび15km/Lが出ています。一方、Priusは緑がウイークデー、黄色が週末になります。いずれもScenicと比較して+5km/Lくらい余計に走っていると出ています。納車が晩秋でこれからますます寒くなるので厳しいかも。エコはエコでもエコノミーでみると軽油とガソリンでは30%くらいの価格差があるので・・・軽油1ユーロ/L、ガソリン1.3ユーロ/Lの差で車両の価格差を埋めるのは。10万キロ単位で余計に走らなければならないハズ。

一方、エコを語るなら走行距離辺りの二酸化炭素排出で比較するのがよいかも知れません。この場合、比較はヨーロッパが長らく(CO2排出的に)エコと主張してきたディーゼルと日本が世界に誇るナンバーワンエコカーとの比較です。単位燃料体積燃焼あたりの二酸化炭素排出量は環境省地球環境局地球温暖化対策課のウエブサイト情報から、ガソリン2.32 kg CO2/L、ディーゼル軽油2.62 kg CO2/Lを引用。すると・・・

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プリウスIIIヨーロッパ仕様

日本のモデルをじっくりカタログで見たわけではないのでいったい何が違うのかわかりませんが、調べて比較するも面倒なので乗っていて気づいたところを以下に書きます。

運転席が左側・・・あたりまえですね。

運転コンソールディスプレイがヨーロッパ5ヶ国語対応。セッティングメニューから変更。納車時は英語だった(フランスなのに)。隠しコマンドで日本語に出来ないのかな?

カーナビの言語設定は北欧、東欧の言語を含めて10数ヶ国語対応。上記ディスプレイとは独立。

日本製?付属品やドキュメント関連のリフェランス(型番)にカナ文字を含む。外国工場のラインではこれは理解されないでしょうから。

速度表記はkm/h。UKは逆ハンドルでまた別仕様でしょうから、mil/hはナシ?

燃費はヨーロッパで一般的なL/100km。センターメーターの瞬間燃費バーグラフも0-10 L/100km。つまりバーが上に伸びれば伸びるほど燃費悪化で日本とは逆。視覚的にはこれがアクセルペダルを踏み込むのを直感的に躊躇させるのにイイのかもしれない。しかし10L/100km以上(あるいは10km/L)より悪い燃費は表示できないという意味では結構挑戦的?(あるいはボロ隠し???)

EVモードでゼロ発進すると50km/hで強制解除される。

一方、ECOモードで運転中、例えば高速で低負荷なら75km/hまで電気モーター単独でも走っている。75km/h以上ならアクセルを離して内燃エンジンが止まらない限りエンジンは回っている。

MP3など音楽を入れたCD-Rは再生可能だが、ファイルホルダ、MP3タグの日本語は文字化けする・・・残念。

追記したCD-RWのファイルは見えない、ナゼ?

カーナビの音声認識で「ニンジャー」と言うと、Restaurant chinoisと認識される。

同乗したフランス人の感想

「静か」。それはモーター発進のから無音ではなく、ディーゼルに慣れているからのようである。

内装も結構いい・・・本当か?結構安っぽいようにみえるのに・・・

一台お買い上げ!!!私が乗り始めてすぐ車の買い替えでPriusを選んだ職場の同僚あり!前に乗っていた、品質のドイツ車と言うことで選んだFolks Wagen Passatの初期ロットはとんでもないカス車で相当頭に来ていたようです。

ちなみに納車まで3ヶ月弱、ただしモデル、色によってはフランス国内に在庫があり即納のものも。日本のような大売れと言うわけではなさそう。

個人的に

寒い。しかし娘はエコのためなら寒くても我慢しろと言う。

なので寒い日は車内が曇る。

ABSやスリップ、トラクション制御がとってもいい。電気仕掛けだから?あるいは旧車Scenicとの比較は酷?

アクセルがなかなか踏めない。パワーグラフの真ん中あるいはエコ印を気にしてしまう。

ブレーキもなかなか踏めない。回生メーターが振り切れた先のエネルギーは無駄に成ると思うと減速もゆっくりになる。しかし回生のおかげでこまめな減速も停車もペナルティにならないと思うと、歩行者立場からはとってもいい車なのかもしれない。

電気走行時に歩行者が気づかなくて危ないという状況はまだ無いのですが、スーパーの駐車場などで車を出そうと言うとき目の前で立ち話している人には困る。エンジン音がするまで動くと思わないのだろう。

自動車専用道路で比較的急な坂道を高速で走るような状況、エンジン音を聞くと心中穏やかではない。

ECOモードでアクセルレスポンスは普通の車と変わらない、ナチュラルな感じ。しかし、非エコあるいはパワーモードでのちょっと踏んだらグワッと言うのは気持ちが悪い。

信号待ちからのゼロスタートでの加速なら負けない!

駆動系やシャシーなどメカにはとてもお金がかかっている車であろう・・・けど内装はクレームがこないかと心配してしまうくらい貧弱。

気温が上がって燃費が向上する春、太陽電池の活躍しそうな夏が待ち遠しい。

最後に・・・

こういう車を体験すると、ヨーロッパの高級車メーカーは今後本当にダイジョウブと感じてしまいます。ドイツの高級メーカーもずいぶん高価な車種からハイブリッドを順次投入していますが、カタログ仕様で10km/Lの卓越した環境性能ってもう脳みそ膿んでいるんじゃないかって。しかも高級車の存在意義からプリウスクラスのハイブリッドも小さな町のり電気自動車もつくれない。困ったものです。市場が期待できるかも知れない中国のような振興国も環境コミットメントを出しているんじゃ、もう死に体。

フランス勢ではルノーは小型電気自動車に注力しているようですね。パリのような街でカーシェアリングあるいは町のりでの普及を狙っているのでしょうか。しかし少なくともパリの駐車場事情を考えると路上パーキングスペースに充電設備を設置するのはセキュリティ上微妙ですし、集合住宅の地下駐車場に電源を設置するのも・・・急速充電するならかなりの大電流が必要ですし。原発足りる?校外もウチくらいパリから20-30kmとなると航続距離がきびしい。

プジョーからはディーゼル電気ハイブリッドが出るようですね(308だか309)。本来ならもう出ていてもおかしくないのに。これが出ていればPriusではなくこれを選んでいたはず。


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