病院へ!


いよいよ妊娠が濃厚となったら病院へ行こう。これから1年近くお世話になる病院を慎重に選ぶのは日本でもフランスでも同じである。

フランスでの産婦人科はGynecologiste(婦人科医)とObstetricien(産科医)の二つに分けられる。妊娠発覚からは婦人科が担当で、後期から出産までは産科医の管轄となる。全ての部門がいっしょになった大きな総合病院や産科、婦人科がいっしょになった病院ならはじめからおわりまでそのままだが、個人開業の診療所の産科、婦人科の場合、出産に必要となる外科設備が外部契約の病院となる。どっちにしても良し悪しは設備や手続き上の簡便さではなく、親身になってくれる良い先生とその腕前であり、経験者の評判を頼りにするしかないのである。

フランスの病院では当然フランス語で診察がおこなわれる。医者は人の命をあずかる高度な技術を必要とする極めて専門的な職業で誰もがなれるものではない。数々の試験を超えてきたエリートの仕事である。そんな彼らが英語を話せないわけがない。産婦人科関係の単語、日本語だからかろうじてなじみがあるものの英語では、もちろんフランス語ではなかなかわからないものである。
一方で、パリ近郊には日本語のわかる医師も結構いる。詳細は「地球の暮らし方・フランス」などにある。妊娠、出産というただでさえ不安なことに加えて病院や言葉の不安が加わるのは精神的にも良くないので我々夫婦は日本語のわかるフランス人医師を選んだ。Parisの西隣町、Boulogne-BillancourtのPatrick Douieb先生のところではこれまで数多くの日本人が出産しているとのことである。

日本語サポートされている病院としては、やはりParisの西隣町、Boulogneからは北の隣町、ParisとLa DefanceとのあいだNeuillyにあるAmerican Hospitalがある。ここには24時間態勢の日本語ホットラインや日本語専用の受け付け回線があり、病院内でも日本語OKらしい。もちろん英語だって。
さて、病院で市販の検査キットではなく本当の血液検査などでまぎれもなく妊娠が確認されたならば、生まれるまで無事育ってくれることを祈るのみ。医療はそのほんの手助けに過ぎない。この先一月に一回の定期検査で事無きを確認してくれる。

この時点で我々夫婦はフランスでの出産をほぼ決意する。物事かなり楽観的に見て、これから子供が生まれるまでに起こる大変なことよりもなんとなくかっこいいフランスでの出産やフランス生まれの子、そして何よりも待ち望んでいたはじめての子供のことで頭が一杯である。

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