出生届


フランスで出生した子供の出生届は国籍に関わらずフランスで行わなければならない。日本の戸籍への登録はそのあとに行うのである。
出生届は住んでいる町の役所(mairie)で行うのではなく産まれた病院、産院のある町の役所にて行う。届け出によって登録された子供の出生の事実はその町で管理される。
その届け出は出生から48時間以内に行わなければならない。その期間を逃すとその子供は出生を証明してくれるすべての手段を失う。出生の事実が無いので日本の戸籍にも入ることが出来ず、日本国籍も取得できない。
48時間以内ということは子供の名前を産まれてからあれこれ考えている余裕はない。産まれたときにはすでに決まっているくらいの準備が必要である。
出生届の手順および必要な書類を以下に記す。

フランスの病院、産院で出産すると医師または産婆さんが出産証明書(declaration de naissance)を作成してくれる。これにくわえて必要な書類は、
両親の戸籍謄本の法定フランス語訳、
両親の身分証明書、
である。
役所の出生届係りにこれらを提出すると、出生の登録を行ってくれる。そこで一枚の書類の記入を求められる。内容は、子供の名前、性別、生年月日、(両)親の氏名、生年月日、国籍、住所、職業などである。役所は出生登録の原本を作成する。届け出に来た人はその内容に誤りが無いかどうか熟読した上で正しいことを確認する。確認が終わると、出生登録の原本に記載事項の誤りが無いことを承認するサインをして終了である。この原本は原本台帳にファイルされる一方で、今の世の中当然だがコンピューター上でも登録がなされる。
病院作成の出産証明書以外は返却される。

そこで交付される書類は以下の2つ。
出生証明書写し(copie integrale d'acte de naissance)、これは出生登録原本のコピーである
健康手帳(carnet de sante)、日本の母子手帳にあたる
ここでポイントは出生証明書の写しを余分にもらっておくことである。日本の戸籍への出生届をする為に2部、各種出生申請に必要な書類を作成するのに1部、記念にとっておく1部など考えておこう。

フランスには戸籍はないし住民票もない。未成年者の身の証明はこの出生証明だけである。

これで出生届は無事終了。

せっかくわざわざ役所まで足を運んだのだからついでに書類を作成してもらおう。これは出生届とは別の窓口になるが、家族証明(fiche familiale d'etat civil)を2部発行してもらう。これは後に社会保障、医療保険(Securite sociale/assurance maladie)および家族補助(allocation familiale)への出生申請に必要となる。この書類作成に必要な書類は、両親の戸籍謄本の法定フランス語訳およびたった今作成してもらった子供の出生証明書だけである。これら提出書類は返却される。

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