和食ではありませんが日本の食卓には欠かせない中華の味のベースとなる鶏スープ。ひとつあると何かと便利ですが、なかなか普通のスーパーマーケットでは見つかりません。フランスで言うところの中華料理が、日本で知る中華よりもずいぶん南にずれており、ベトナム、ラオスあたりが中心になっているためです。これはこれでおいしいのですが、中国三千年の歴史とは似て非なるものです。
中華あじというとたしか味の素の商標で、中華料理に使える顆粒状の鳥スープのもののことです。これひとつあるとスープはもちろん、料理の下味からチャーハンまで便利この上ないのですが、フランスではどうでしょう。まず中華あじそのものあるいは同等品は日本製の日本で売られているのと同じものが日本食材の店で手に入ります。便利な調味料ではあっても年中、塩やしょうゆのようにどんどん使うものでもないのでそれで間に合うかもしれません。
おなじチキンスープだからといってスーパーマーケットに並ぶクノールやマギーのチキンブイヨンに手を出してはいけません。日本でいうところのチキンコンソメのようなもので当然味は違います。また、日本で売られているクノールやマギーのものとも異なります。
パリ中華街をよくよく探すとこんな鳥スープの缶詰があります。中は粉末で中華あじにもっとも近いものといえます。中華あじよりもそれ自体の塩味が強いようなので分量には注意。
同じチキンスープでもこちらのようなベトナムの麺料理ホーのスープは香辛料が強いのでやはり中華味の代用には難しいです。しかしながら、この香辛料に違和感がなく、ホーのような麺料理のほかベトナム料理を楽しめる人にはこの固形スープは重宝します。あるいはこの味がすっかりお好みになると中華あじへの執着はある程度小さくなっているかもしれません。これは中華食材店で入手可能です。