ビール
フランスではビールがとても安い。その安さは普通の清涼飲料水なみである。日本の発泡酒並みのお手軽さということになるのである。写真のHeineken250mlボトル12本いりのパッケージは34.65フランである。なぜそれほどまでに安いかというとビールの製造コスト自体も安いということもあるが、なにしろ税金が安い。手元に資料があるのでそれを引用してみよう。出典はオリックスレンテックというリース会社発行のニュース紙54号である。データはビール酒造組合によるものである。それによるとフランスでのビールの価格(税抜き)は日本の約半分、税金も約半分となっている。日本のビールには江戸時代の年貢並みの重税が課せられている。フランスでのビールの位置付けは酒類ではあるがほとんど飲み物感覚になる。昼間にカフェで飲むのもOKであるし、会社の食堂には常備されており何人かは毎日昼食とともに一本飲んでいる。日本ももう少し税金が低ければ出荷量が増えて庶民の喉もビール会社も潤うのではないだろうか。税が小さければリーズナブルな価格設定の範囲でビール会社ももう少し利益が得られるであろう。何よりも景気による消費の落ち込みあるいは発泡酒やいまやすっかり定着したワインへの流動を押さえられる。これほどの重税がかかった商品であるから出荷減は税収にも影響を及ぼす。従量で課せられる税金の徴収量減を税率アップでまかなおうとするようなおろかな政策をとる政府もあるが、普通の市場では価格を下げて需要喚起を期待するのであろうが。少々ビールの話、フランスの事情からは脱線してしまった。
ビール大瓶1本(633ml)あたりの小売価格と課税の比較
| 小売価格 | 酒税負担率 | 消費税等負担率 | 総税負担率 |
日本 | 337円 | 41.7% | 4.8% | 46.5% |
フランス | 104円 | 7.1% | 16.8% | 23.9% |
ドイツ | 123円 | 5.0% | 16.0% | 21.0% |
イギリス | 238円 | 20.2% | 17.5% | 37.7% |
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