王様のレストラン


貴族文化の華やかな頃、彼らは一体どんな食事をしていたのであろうか。すべてが満たされた美しく優雅な城の主たちの食欲に応える料理とは何だったのだろうか。そんな素朴な疑問の答えを見つけることが出来るのは、王様のレストラン、その舞台裏の厨房である。舞台はロワール地方でも1、2を争う美しさのシュノンソー城/Chenonceauである。

chenon1 厨房は城の正面入口から一つ下の階にある。地下室であるが城自体、土台が高いので地下といっても半地下で壁の高い位置に窓がある。したがって暗くない。が、ここは特別ちょっと暗い。雰囲気も暗い。ここは食肉加工場で要は家畜を解体するところである。作業台が並び、上には物騒な刃物がぶら下がっている。

chenon2 こんなにたくさん、ピカピカに研かれた銅なべが壁に並んでいるが、これはどう見ても飾りにしか見えない。

chenon3 入り口は狭いが中は広い、石造りのかまどである。かまどと言うと聞こえが悪いが炉あるいはオーブンのことである。ここでパンなどを焼いたのであろう。

chenon4 メインキッチンの全景がこれである。メインとはつまりここで切ったり剥いたり煮たり焼いたりということである。ここにも銅なべが壁にぶら下がっている。もしかして日常的になべをこうして片付けていたのだろうか?銅はなべに限らずあらゆる器具にも使われている。

chenon5 これがガスコンロならぬ炭コンロあるいは木炭コンロである。コンロのような台の下の部分に熱源を放り込んで使う。これは火力調整が難しそうだと言いたいところだが、フランス料理ではダイナミックに火力を変える調理方法はない。

chenon6 一見暖炉のようであるがその前に複数の金属の棒が平行に並んでいる。棒は歯車で連結しており、錘のついた紐がはずみ車を回し、時間をかけてゆっくり棒をまわす仕掛けになっている。棒にはもちろん肉がとりつけられ、暖炉の火の前で肉はゆっくり、くるくる焼かれるのである。

chenon7 シュノンソー城程に有名なるとかなりの日本人が訪れているであろうし、その姿はテレビ、雑誌、書籍、インターネットなどあらゆるメディアに何度と登場しているはずである。しかし、その中の厨房しか紹介しない、城外観の写真を全く使わないというのは本邦初ではないかと自負している。
ちなみに、王様のレストランといえば山口智子で当時その役柄からもとても魅力的であった。賛否両論あるだろうがキムタクには松たか子がお似合いだ。ところが最近のニコチン公社のコマーシャル、あれは反則である。居酒屋ゆうれいまでが限度である。居酒屋ゆうれいの方がきわどかった!?という問題ではない


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