パルミジャーノ・レジアーノ


parmigiano フランスでも日本でもパルメザンと呼ばれているイタリアのあの粉チーズも正式にはパルミジャーノ・レジアーノ/Parmigiano Reggianoというすごい名前が付いている。もちろんこの名前はイタリアでは原産地統制された名前なのでパルメザンがパルミジャーノであるとは限らない。日本で売られているお手軽価格のパルメザンは間違いなくまがい物である。
粉末にして使われるこのチーズも元は大きな塊で結構硬い。年単位の熟成期間を経ているので水分はほとんど残っていないが香りと味は素晴らしい。中にざらざらしたものを見つけることがあるが、発酵で熟成で生じたアミノ酸の結晶であろう。フランスのクリーミーな臭みのあるチーズとは大きく異なり、日本的な旨味を感じることが出来る。粉末で市販されているものではなく塊で購入すると使う前におろす時の香りがうれしい。おいしいスパゲッティには生のハーブと良質のオリーブオイルを惜しまないことだと思っていたが、このパルミジャーノが加わることで一層本場に近づくことが出来る。
実際のところ一般家庭ではパルメザンの粉チーズの出番というのはそれほど多くないかもしれない。塊で買っても残りが腐ってはもったいないと考えられるかもしれないが、熟成のために2年3年寝かされたチーズが買って1週間でだめになるということはない。ウチでは冷蔵庫で2ヶ月以上の実績がある。使い道も粉にして使わなくとも、うすくスライスしてサラダに加えたり、薄切り自体ワインのお供として十分おいしいい。
いいこと尽くしのこのチーズだが、実は極めて高価なのである。日本では超高級食材の値段がついているが、フランスではまだ庶民の手の届くところにある。イタリアで見たときもフランスと変わらない値段がついていた。長い熟成期間がたたって生産効率が悪いのである。しかしこのような伝統的なおいしい味が工業的に生産されるというのも悲しいものである。おいしい物は大切に味わっていきたいものである。


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